乙女座の神話
このお話の主人公は、全能の神ゼウスの妹ペルセフォネです。
ある日、ペルセフォネは友達と野原に花を摘みに出かけました。
ところが花摘みに夢中になってしまったペルセフォネは皆とはぐれてしまいました。
ペルセフォネにずっと思いを寄せていた冥界の神ハデスは、その姿をみてここぞとばかりに、無理やり冥界へと連れ去ってしまいました。
このことを知って悲しんだのはペルセフォネの母である豊穣の女神デメテル。
あまりのショックで洞穴に閉じこもってしまいまったのです。
すると地上の草木はすべて枯れて、作物は育たなくなり、食べ物がなくなってしまったため人も動物もどんどん死んでいきました。
このままでは生き物がすべて死に絶えてしまうと知った神々は、冥界の神ハデスに、ペルセフォネを返すように命令しました。
ハデスはしぶしぶペルセフォネを帰す約束をしたのですが、こっそりとペルセフォネに冥界のざくろの実を食べさせたのです。
冥界の食べ物を口にした者は地上に戻ることはできません。
無事に地上に戻ることができたペルセフォネですが、ペルセフォネはざくろを4つ食べていたため、1年のうち4ヶ月は冥界にいなければならないことになりました。
それまでは地上には四季はありませんでしたが、この4ヶ月間が地上の冬となりました。
ペルセフォネが地上にいられる8ヶ月間が、春、夏、秋となったのです。
ハデスに連れ去られ、強制的に妻させられたペルセフォネですが、冥界では夫となったハデスに連れ添い、妻としての役割を果たそうとしました。
目の前にある出来事や自分の立場を冷静に見極めて、それにあわせて生きていこうとする姿は、乙女座の性質と重なるものがあります。